検査データの見方(Ⅰ)
検査データの見方 (Ⅰ)
1)身体計測
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
| | やせ | 普通 | 太っている |
| BMI | <18.5 | 18.5~24.9 | ≧25 |
| %参考 | -10%未満 | -10~+10%未満 | +10%以上 |
①標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
②肥満度(%)=(体重-標準体重)÷標準体重×100
腹囲: 内臓脂肪蓄積のリスク判定 :男<85cm 女<90cm
2)診察(理学的所見)
診察の際、不整脈、心雑音、浮腫、貧血、甲状腺腫、肺雑音、腹部圧痛、腹部腫瘤、
運動麻痺、知覚異常、腱反射異常などがみられれば、記載されます。
3)眼科検査
視力検査 裸眼視力(矯正視力)と表示されます。
眼鏡・コンタクト使用時も( )内に表示します。
視力が0.6以上出れば問題ありません。
眼圧 20mmHg以上は緑内障が疑われます。眼科を受診してください。
4)聴力検査
| オージオメーターにて、 | 低音部(1000Hz):30db |
| | 高音部(4000Hz):40db まで聴こえれば正常です。 |
特に、高音部は騒音・加齢などにより障害されます。
5)尿検査
尿糖:空腹時尿糖(+)なら、糖尿病が強く疑われます。
尿蛋白:腎疾患で陽性となりますが、運動や発熱で陽性となることもあります。
尿潜血:尿路結石や膀胱、腎、前立腺疾患で陽性になります。
ケトン体:飢餓状態や糖尿病の管理状態が悪い時に陽性になります。
ビリルビン、ウロビリノーゲン:肝胆道疾患が疑われます。
尿沈渣
赤血球(0~5):尿路系の結石、炎症、腫瘍で増加。
白血球(0~5):尿路系の感染症で増加。
円柱:腎疾患で出現
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6)腎機能検査
濃縮能:第1~第3尿のいずれかが尿比重1.022以上であれば正常。
尿素窒素:腎機能低下・脱水・蛋白質過剰摂取で上昇します。
クレアチニン:腎機能低下をよく表現します。
eGFRは性・年齢とクレアチニンから導かれた腎機能レベルです。(グレードⅠ~Ⅳ)
7)尿酸
高尿酸血症が続くと、尿酸が組織に沈着し痛風を発症します。また、尿路結石の原因になります。
8)糖尿病検査(代謝系)
血糖値 mg/dl
| | 空腹時 2時間値 |
| 正常型 | <110 かつ <140 |
| 糖尿病型 | ≧126 または ≧200 |
| 境界型 | 正常型にも糖尿病型にも属さないもの |
HbA1c:過去1ヶ月前の血糖の平均値とよく相関します。血糖値のコントロールの指標に使われます。
近い将来HbA1c値は現在のJDS値(日本糖尿病学会基準値)から国際標準値となるが、その場合は
JDS値に一律に0.4%を加えた値となります。
9)脂質
総コレステロール:増加すると動脈硬化を促進。栄養不良や肝障害では低値。
中性脂肪:増加すると動脈硬化を促進。
HDLコレステロール(善玉コレステロール):減少すると動脈硬化を促進します。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール):増加すると動脈硬化を促進します。
10)血液学的検査
血球計算
白血球数:炎症、喫煙で増加。ウイルス感染症では減少することもあります。
赤血球数:貧血で減少。
血色素:赤血球中にあり、酸素を体内組織に運ぶ働きがあります。貧血で減少。
血小板:止血作用を持ち、減少すると、出血傾向が生じます。
血液像:白血球の内訳
好中球:急性炎症で増加。
リンパ球:免疫に関連。ウイルス疾患で増減。
好酸球:アレルギーに関係。
血清鉄:鉄欠乏性貧血で減少。
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11)肝機能検査
総ビリルビン、直接ビリルビン:黄疸で上昇。溶血や体質性に高い場合もあります。
ZTT:慢性炎症や肝疾患で上昇。
GOT(AST):主に肝臓、筋肉に含まれる酵素で、肝障害、心筋梗塞、筋炎で上昇。
GPT(ALT):主に肝臓に含まれる酵素で、肝障害で上昇。
ALP:肝、胆道、骨に多く含まれる酵素で、これらの疾患で上昇。
LDH:肝、血液疾患、心臓、筋疾患、悪性腫瘍で上昇。
γ-GTP:肝、胆疾患、特にアルコール性肝障害で上昇。薬物で上昇することもあります。
CHE:脂肪肝、肥満などで上昇。肝硬変、栄養不良で低下。
総蛋白:低栄養、ネフローゼ症候群で低下。
アルブミン:肝臓で作られる蛋白。肝硬変やネフローゼ症候群で低下。
腹部エコー検査も参考にします。
12)膵機能検査
アミラーゼ:上昇は膵炎が疑われます。原因はアルコールか脂肪類過摂取です。
耳下腺炎・卵管炎などでも上昇します。
13)血清学的検査
血沈(赤沈):急性、慢性炎症で促進します。
CRP:急性炎症で増加します。
RA:リウマチ性疾患、肝障害などで陽性に出ます。
ASLO:溶連菌感染または感染の既往を意味します。
HBs抗原:B型肝炎ウイルス感染を意味します。
HBs抗体:B型肝炎ウイルスの中和抗体であり、B型肝炎に対して感染防御を示します。
HCV抗体:C型肝炎ウイルス感染を意味します。
RPR、TPHA:梅毒反応の検査。膠原病などでも陽性になることがあります。
14)腫瘍マーカー
α-FP:肝細胞癌で著増、肝細胞が再生するときにも増加。
CEA:大腸癌、肺癌、膵臓癌、喫煙で増加します。
CA19-9:膵臓癌、閉塞性黄疸などで増加します。
ACP、PSA:前立腺癌、前立腺肥大で増加します。
CA125:卵巣癌で上昇します。
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15)甲状腺検査
甲状腺刺激ホルモンTSHをはかります。低下は甲状腺機能亢進、高値は甲状腺機能低下が疑われま
す。
16)骨密度の検査 骨年齢で表示します。
17)循環器の検査
*血圧 心臓の収縮期の血圧を最高血圧、拡張期の血圧を最低血圧と呼びます。
| | 収縮期血圧 拡張期血圧 |
| 高血圧 | 140mmHg≦ または 90mmHg≦ |
| 正常血圧 | 130mmHg> かつ 85mmHg> |
| 境界域 | それ以外 |
*心電図 心電図の異常は指示に従ってください。
18)呼吸器の検査
*胸部X線検査
肺野に異常があれば指示に従ってください。
心胸郭比:50%以上は心拡大。
*肺機能検査
相対的肺活量(%肺活量)と息を一気に吐く力(1秒率)で肺疾患を分類します。
| 1秒率(%) 70 → | 拘束性障害 (肺線維症、間質性肺炎など) | 正常 |
| 混合型 | 閉塞性障害 (気管支喘息、肺気腫など) |
| | %肺活量 | ↑ | 80 |
*喀痰細胞診:喀痰中の癌細胞の有無を検索します。
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19)消化器の検査
*胃部X線検査、内視鏡検査:食道、胃、十二指腸の検査。異常があれば指示に従ってください。
*腹部超音波検査:肝、胆、膵臓、腎臓などの検査。異常があれば指示に従ってください。
*大腸検査:便潜血反応が陽性になれば、大腸内視鏡検査、注腸検査などの精密検査を受けてくださ
い。
20)婦人科検診
乳癌検査:マンモグラフィー(乳房X線検査)または乳房エコー(超音波検査)で異常があれば
指示に従ってください。
子宮癌検査:外子宮口より細胞を採取し、検査します。ClassⅢ~Ⅴは精査が必要です。
21)メタボリックシンドロームについて
内臓脂肪症候群(メタボ)とは臍の高さで腹部CTにて脂肪組織が100cm²以上あることをいいま
す。
統計学的処理により腹囲が男:85cm、女:90cm以上が相当します。
40才以上で腹囲肥満があり、①高血圧・②脂質異常・③糖尿病・④喫煙などが加われば動脈硬化の
リスクが急激に高くなります。
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特定健診とは
日本人の死因の1/3は脳卒中・心臓病・腎不全などによりますが、その原因は全て動脈硬化です。
さらに、一旦発病すると非可逆性の変化を伴います。
動脈硬化のリスクは年齢・肥満に加え高血圧・脂質異常・糖尿病などが合併すれば急激に高まります。
そこで、未然に発病を防ごうとの考えから、日常生活を改善してリスクの軽減を図るのが目的です。
積極的支援(リスクの高い人)と動機付け支援
| 腹囲など | 追加リスク | ④喫煙歴 | 対 象 |
| ①血糖 ②脂質 ③血圧 | 40~64才 | 65~74才 |
男85cm 女90cm 以上 | 2つ以上該当 | * | 積極的支援 | |
| 1つ該当 | あり |
| なし | 動機付け支援 |
上記以外で BMIが 25以上 | 3つ該当 | * | 積極的支援 | |
| 2つ該当 | あり |
| なし | 動機付け支援 |
| 1つ該当 | * |
注)*印は判定が喫煙歴の有無に関係ないことを意味する。
特定健診は40才以上の全ての国民に義務づけられました。
リスクの多い方から積極的支援、動機付け支援などの保健指導の通知が保険者より送付されます。
必ず受診してください。
特定保健指導の仕組み(計画)
1) 積極的支援
初回面接 保険指導 体重・腹囲・血圧測定の上、食事指導・運動を軸に生活改善を計画します。
1ヶ月後 保険指導 計画書の見直し。
3ヶ月後 保険指導 計画書の見直し。
6ヶ月で効果判定 体重・腹囲・血圧測定など。
この間毎月、電話・FAX・メールなどで経過を見る(連絡を取り合う)。
2) 動機付け支援
初回面接 生活改善を支援
6か月後効果判定
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保健指導判定値と受診勧奨判定値
検査値が基準値(正常値)内にあっても、高いところで推移すれば、やはりリスクがないとは
言い切れないので、指導判定値が設けられております。
勧奨値とは治療を始めたほうがよいレベルと考えてください。
| | 指導判定値 | 勧奨値 | 基準値(参考) |
| 血 圧 | 最高 | 130以上 | 140以上 | 140以下正常 |
| 最低 | 85以上 | 90以上 | 90以下正常 |
| 糖 質 | 中性脂肪 | 150以上 | 300以上 | 150以下正常 |
| HDL-C | 39以下 | 34以下 | 40以上正常 |
| LDL-C | 120以上 | 140以上 | 140以下正常 |
| 血 糖 | 空腹時血糖 | 100以上 | 126以上 | 110以下正常 |
| HbA1c | 5.2以上 | 6.1以上 | 5.8以下正常 |
| 肝 機 能 | GOT | 31以上 | 61以上 | 35以下正常 |
| GPT | 31以上 | 61以上 | 40以下正常 |
| r-GTP | 51以上 | 101以上 | 60以下正常 |
| 貧 血 | Hb(男) | 13以下 | 12以下 | 13.2以上正常 |
| Hb(女) | 12以下 | 11以下 | 11.2以上正常 |
以上の如く、検査が正常値にあっても、バランスのとれた食事と適宜な運動を心掛けてください。
自己管理が最も大切です。
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